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それぞれの技術分野には、25のワークプログラムがあり、平均して160,000ドルの資金を有している。各ワークプログラムは、作業目的に則してコントラクターを選出する。そして作業を監督し、最終的に報告書を提出することになる。共通する技術によって各ワークプログラム間で、委員会を組織し委員会を通して、各作業を調整し報告書を提出する。委員会のメンバーは各自の石油会社の技術担当者を含むもので、各プログラムの代表者である。このようにすることでいくつのものワークプログラムは密接に調整され一元化される。これは資金の効率的な利用を促進し、作業の二度手間を最小限にするものである。
第3フェーズ/作業概要
最新情報から適切な調整を図り、これまでの経験をべースに、より精度の高いものを追及して行くものである。ディープスターが始まった1992年当初は、生産技術を反映していくことも難しかったが、その後、複数の坑井が掘削され、生産性もかなり把握できるようになり、また、いくついかの有望な坑井の存在も予想されるようになった。第3フェーズの中間段階においては、設備や経済性を踏まえた開発が行なわれるように、これらに見合った資金調達が実行された。
これらの作業は、統括して「予知」、「防止」、「改善」の3つに分けることができる。
これまでの掘削により、パラフィン及びハイドレートなどの沈殿物が確認されており、これらの処理には予算の50%が充てられている。パラフィンに関する運動性及び熱力学の観点から様々な研究が、タルサ大学の研究室(JIP)でも行なわれた。その結果、第3フェーズでは抑制剤の効果が実証され、地表のパイプライン内で使用され始めた。パラフィンの除去についてもケミカル反応抑制剤が開発され使用されている。これは、いくつものプロジェクトの成果であり、円滑な共同作業と技術レベルを実証したものである。
生産技術はパラフィン及びハイドレートをうまくコントロールするメカニズムが要求される。短期的あるいは長期的な両面で研究された手法は、第3フェーズで取り入れられたのである。次の通りである。
1.Subsea Chemical Injection System
2.Laboratory Chemical Compatibihty
3.Insulated and Electrically Heated Pipelines
4.Coatings
5.Novel techniques
主に、研究所内でケミカルの互換性をテストするもので、事前に生産井で使用するケミカルと適合性をチェックする。場合によっては、混合するとゲル化し結果的にインジェクションポートなどをプラグすることも考えられるので、適合するケミカルと分けて、その性状を確認することで実際の掘削時の調泥に役立てようと考えられた。
ハイドレートとパラフィンを防ぐには、生産井で使う泥水温度がコールドポイントより上でなければならない。このため、パイプを断熱あるいは電気的に暖める必要がある。状況によって断熱と加熱の組み合わせを考える。
また、パイプコーティングで、それらのハイドレートの粒子や粘着力を減少できれば、沈殿物を洗い流すことがになることから、さらにコーティング技術を検討するものである。
その他、期待できる解決策としては、Mag-netic Fluid Conditioning、Acoustic(Ultrasonic)fluid Action、Microbe Fluid Conditioningなども、新しい技術として評価されている。
それらの技術も、全て有効な解決方法として合わせて研究されている。しかし、その全てが100%効果のあるものとは考えていない。それらの技術のうち、1つあるいはいくつかの組み合わせによって、新たな手法を考え出されることに期待している。
海底坑井及びパイプラインのメンテナンスや修理については、第3フェーズにおいても、継続して考えられている。
大水深におけるパイプラインの修理については、現在2つのシナリオで研究が進んでいる。第一は、ROVによる遠隔操作による海底面上の作業である。この技術は地中海において、海底試験を実施するなど、ENI社(Sonsub)によって、大規模に開発されている。特に、大口径の肉厚のうすいパイプなど、海面上に引

 

 

 

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